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妻がツタヤで借りてきたのでシャーロック・ホームズのシャドウゲームを観た。役者が良いこともあって、2作目もおもしろかった(1作目は劇場で観て、これもおもしろかったのだった)。
シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム Blu-ray & DVDセット(初回限定生産)(ロバート・ダウニーJr.)
展開が速いので、まじめに観ていないとあっという間に置いてけぼりになることもあって、途中から妻はグルの瞑想に入っていたが、おもしろいのになぁ。(2回あるお笑い迷彩服とかうまくできているし)
で、圧巻は、相手の動きを先にシミュレートして有利に戦う(あくまでも有利に戦えるというだけなのでやられてしまうこともある)グラップラー刃牙みたいな技をシャドウゲームとか呼んでいるのだが(刃牙が元ネタってことはないだろうから、チェス由来なんだろうけど)、これをモリアーティとお互いにやることでクライマックスの滝壺の戦いが脳内で繰り広げられることになるのだが、大摩のガロを思い出した。
忍法秘話: 大摩のガロ (1) (小学館文庫―忍法秘話)(白土 三平)
ガロはアナーキストの忍者なので、徳川による身分固定化された政権が日本を支配することが耐えられない(というほど、天下国家の視点を持つわけではなく、戦乱で親を亡くした子供に自活力をつけさせて独立した集団農業体制(この発想がアナーキーなわけだが)を作るために戦っているわけだ)が、こういった化外の民の存在を許すほど徳川政権は甘くない。というわけで、服部半蔵に命じて大摩のガロを暗殺しようとするわけだ。
だが、ガロが持つ忍術は遠くにいる人間の意思を読むことで先回りして有利に戦うというやつなので、服部軍団をして常に全滅の危機においやる。
そこで半蔵は、同じ術を持つ無風道人(追記:多分、露木道人の記憶違い)という仙人みたいな忍者を雇ってガロと戦わせる。同じ技を持つ優れた忍者とな、それは戦ってみるのも一興じゃ。
2人は対峙するやいなや相手が同じ術を持つことを読み、体術、技術すべて互角ということがわかる。
膠着したまま思惟だけで戦闘が行われる。
「互角のようじゃな」と無風が考える。「が、おれは子供らのために闘っている。おぬしは何のために戦っておるのじゃ?」「む……」
遥か遠くからそれを眺める半蔵に部下が尋ねる。「親方様(お館さまじゃないよな)、まじめに戦わないのはなぜですか?」「ばかもの、今、相手の先を読む我らには及びもつかない戦闘が行われているのじゃ……む、待てよ。ガロと無風が互角ということは、無風がガロを倒せば、第2のガロ……」
無風が目をかっと見開き、突如、ガロと息の合ったコンビネーションプレイで服部軍団に襲い掛かる。「しまった読まれたか……」あわてて逃げ出す半蔵(常に生き延びるという点では、圧倒的な存在なのだった)。(事前にそういう可能性を考えとけとか後付で思う以上に、その展開はおもしろいのだった)
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