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Kindle PapwerWhite買って、とりあえず何か買ってみるかと適当に探して、ガチバルピのジーンものがおもしろかったというのもあって、ジーンマッパー買ってみた。
Gene Mapper -core- (ジーン・マッパー コア)(Fujii, Taiyo)
で、読了したのだが、うーんと途方に暮れる。
作品は問題なくて(もっとも、途中まで一種の謎解きタイプで追いかけていくのが、あれよあれよとどんでん返しとかなく終わってしまって、ちょっとあっけないような気もしたし、何が何でも最後のあまりに明朗な未来観は、現実世界では同意はするが、小説作品としてはどうなんだろうと思わなくもない)おもしろかったのだが、Kindleが良くない。
まず、画面の見易さはまったく問題ない。軽さも悪くない。
ただ、片手で操作するときに、右手で持つと使いにくい。送るが左側2/3くらいの範囲だが画面を覆うことになって読みにくいからだ。左手で持てば良いのだが、すると、戻すの時に画面を完全い覆う必要があって、これも良くない。
つまり、それがすべての問題で、後に戻るということを、このデバイスはこれっぽっちも考えてないのだ。
多分、想定しているのは、脅威の速読野郎のような、とにかく次、次、次、とページをくっていくタイプの読書だけだろう。
だが、短期記憶に非常に難があり、そのために、作品中の事象と、そこから受けた印象で、細かなネットワークを作って(ノードに登場人物や位置や時間ごとの出来事などが配置される)、それによって作品の構成を記憶して読書するおれの方法だとやってられない。
紙の本であれば、左手の親指を現在位置にマークして、すばやく右手で以前の箇所を探し、読み返して、ネットワークを作る作業はきわめて容易だ。
だが、これがまったくできない。
めくると、すさまじく遅いから、10ページくらい戻ったところで、いやになってしまう(というか、短期記憶に問題があるから、何のために戻っているかわからなくなる)。
検索を使ってみようと思ったら、キーボードが異様に反応が悪くてぼろぼろキーを取りこぼすし、遅いし、そもそもおれが読み返すための手掛かりにするのはキーワードではなく、その文章の印象なのだから、無理な話であった(キーワードが判明しているということは、既にネットワークができてノードが確立した状態となっているということだ)。
妙な位置番号があるので、これを全体の数の割合でとか、やっても胡乱なこと甚だしい。
つまり、全然、使い物にならない。
というか、そもそも現在地点にマークするための操作に手間も時間もかかるので、その時点でアウトだ。
というわけで、いろいろ試してみたが、まともに記憶していられる範囲内で2つ以上のノードを結合する作業ができない。
たまたまジーンマッパーが内容が単純で大した伏線もなければ、人物関係も少ないので、問題なく読めただけだ。
これは(小説を読む)デバイスとして致命的な欠陥だ。
・もちろん、新しい器には新しい酒という考え方もあるだろうから、おれのネットワークを構築するような読書術を捨てて、一直線に過去を振り返らずに読み進めて、物語を消費すれば良いという主張はあり得る。
が、大きなお世話だ。メタに読めなくてどこがおもしろいのか? わざわざ貴重な時間を割いて読書を楽しむのに、読み方を制限されるのは、不快千万というものだった。
では、技術書を読めるかといえば、使い物にならないことは以前に書いた。
とりあえず、ジーンマッパーを読了した時点で、つい、大物を買ってしまった。
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女(上・下合本版) (ハヤカワ・ミステリ文庫)(スティーグ・ラーソン)
が、最初の地図と登場人物紹介を眺めた時点で、このfor simple mindsなデバイスで読める自信はなくなってしまった。(で、なぜかなぁと考えて、そういえば、何か定義がわからない固有名詞が出て来たときに、初出位置を探そうとしてあきらめた経験から、これらのことを思い出したのだった)
聞いた話だと、SONYリーダには、高速ページ送り機能があるらしい。そういうのがあるなら話は別かも知れない。
また、Kindleのアプリケーション版にはスクロールバーがあるらしい。これも移動は容易だろう。アプリケーションにあってデバイスにないとしたら、考えられるのは、マシンの遅さだろう(キーの取りこぼしの激しさから、人間の操作速度に追随できていないのは明白だから、まともなスクロール操作に耐えられるとは考えにくい)。
うーむ、どうしたものか。
ブックマークをどう使えるのだろうか?
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