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豊洲のユニバーサルシネマでパシフィックリム。
なるほど、こりゃ怪獣映画、それも凄まじく良くできた怪獣映画だと満足する。何しろ怪獣がでかい。重量感がある。そしておっかなくて強い。
タイトルが出るまでの間に、海底にできた裂け目から怪獣が地球に侵入するようになったこと、それに対抗して国際組織がイェーガーというモビールスーツを開発したことが語られる。最初は1人で運転していたのが、操縦者への負荷が高いので2人1組で行う(この時にジョイントと呼ばれるお互いに相手の脳内へ入るという、モビールスーツよりもそっちの技術のほうが難しいだろうということが行われるが、このジョイントが物語上は決定的な役割と果たす)ようになる。が、怪獣はどんどん高度化していき、イェーガーでは太刀打できなくなり、各国は海岸沿いに万里の長城を築く計画へ移行、イェーガーは予算的に封印されることとなった。しかし、壁は簡単に突破され、今では壁の建築作業員しかしかっては兄弟でイェーガーの操縦をしていた弟(兄は死亡)の元にかっての司令官がヘリコプターで迎えに来る。
ロボットの操縦は、ライディーンやジャンボーグAのような身体トレースによるのだが、最初に兄弟で出動するときの脚の重そうな動きとイェーガーの動作の同期っぷりでこの映画はすげぇやと感じる(その前に、操縦席へ向かうわけだが、サンダーバードへの乗降方法をさらにかっこよくしたような儀式的ギミックがすでにわくわくもの)。
この重量感が素晴らしい。操縦に身体トレースを利用することにしたことが映画として実にうまく作用している。
当然、怪獣も、どれだけ素早く動いても、重くて、でっかくて、おっかない。最後はレベル5という、極端にでっかな怪獣が出てくる。
ハリウッドの怪獣と言えば、鳴り物入りのゴジラがやたらとつまらなかったのだが、パシフィックリムを観ていてはっきりと原因がわかった。ゴジラに重量感とでかさが感じられなかったからだ。もっとも冒頭はえらく面白そうで、それはゴジラの足跡にまさに重量感とでかさが感じられたからなのだが、実際にゴジラが出てくると数とスピードの勝負となってしまうからだ。
が、パシフィックリムの怪獣は本当の怪獣だった。でかくてビルを壊し、逃げ惑う人々を追っかける。さらには、ちょっとだけ出てくるすさまじく文明が進んでいるはずの宇宙人が全裸(例:バルタン星人やメフィスト星人も全裸だ)というわけのわからなさも怪獣映画みたいだった。
あと、印象的なのは黒いコウモリ傘を目深にさして風の又三郎のようにやって来るマコモリ(なんかイシマツとかタコカクタ、ホンダイノシロといったやたらと短いペリー・ローダン系日本人名の伝統を引いているのかな)の初登場シーンで、この後もやたらと猫背というか猪首っぽいというか、妙な姿勢でなぜだろう(顔のメークが東洋人メークなのは了解するとして)と不思議だった。
あと、やたらと寸止めが多いけど、そういうのが好きな作家なのかな? (博士を探す舌の寸止め、胎児の寸止め、イェーガーが止まるためにビル内に手をひっかけて、それが机の直前で寸止めされて玉突きオーナメントがカチカチしたり、パートナー選びの棒術合戦、埠頭での踵の踏ん張りとか)というか、映画表現として寸止めは実に効果的だな、と思い知った。
映画の記憶として、酸がおっかないとか、国際色豊かなメンバーとか、海底からの地球侵略とか、、緯度0大作戦(多分、おれが一番好きな怪獣映画で、海底軍艦がかっこ良かったのだ)を思い出した。
ジェズイットを見習え |
マコは確かに短いけどそこまで不自然な名前ではない気がします
ハリウッドの映画関係者ならマコと聞くと mako iwamatsu 氏を連想するかも。リスペクトかな? http://www.imdb.com/name/nm0538683/
マコ岩松と言えば、中学生あたりの頃、ミカドというミュージカルをテレビで観てえらくおもしろかった記憶がありますが、今調べたら、1976年の太平洋序曲の記憶違いみたいですね。<br>ペリーローダンは、ホンダイノシロでjoinしたかっただけだったり。でも、イシマツみたいな名前だなとは思いました。
なんか違和感があると思ったが、よくよく考えてみたら、パシフィックオーバーチュアとカタカナで放映したはずだ(で、ミカドというカタカナとごっちゃにしてしまったような)。