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日々の破片

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2014-11-04

_ 藤原歌劇団のラボエーム

オーチャードホールで藤原歌劇団のラボエーム。

フリットリがミミを歌うということしか知らずに行って、最初ルドルフォが声量といい歌い方といい、あまり日本人のテノールっぽくないなぁと思いながら聴いていると、生きているのですのスタンザの次あたりで失敗したりしていて、まあそんなものかなぁとか思いながら、しかしフリットリの声もそれほど響かず、オーチャードホールって演劇にも使うからあまり響かないようにした作りなんだろうか、歌劇には向かないなぁとか考える。

それはそれとしてオーケストラの演奏はうまいのだが、しかしテンポが異様に遅く感じるというか、遅い。特に1幕の蝋燭借りにミミが来たあたりからえらく遅い。

2幕と3幕の幕間に子供とそんな話をしていたら、ルドルフォは日本人の歌手ではなくイタリア人の歌手(フィリィアノーティ)で、しかもおれは皇帝ティートで聴いたことがあると指摘されて驚く。それにしてはわざわざ招聘するほどあまりうまいとは思わなかったからだ。

それにしても、と子供が言う。ムゼッタの小川里美という人の声はちゃんと響くよね。

後になって考えてみると、というのは3幕でルドルフォがマルチェッロにミミは温室の花なんだと述懐するところで出をしくじったからなのだが、指揮者のテンポがイタリア人歌手陣のリズムに合っていないということなのかも知れない。

合わないテンポなのに練習をそれほどできなかったとしたら(一方日本人の歌手陣は同じ日本のことだからより緊密に練習できるとして)、そりゃ合わせるのに手いっぱいで本領発揮はできないだろうなぁと、そういう可能性もあるから舞台芸術ってのはなかなか難しいものだとつくづく思った。

舞台装置はうまく作られていて(2幕に至ってはメトではないが2階建てになっている)、小型軽量化されているらしく場面転換の入れ替えは早く、しかもきれいだ。が、いささか狭いのか良く物をテーブルから落とす。……やはりリハーサル不足なんじゃないかなぁ。

と、あらはあらあらだが、そうは言っても好きな曲だけに楽しめた。


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