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日々の破片

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2015-07-01

_ 最大600個の法則

自然を名づけるにおもしろい考察(たった2件の実験結果もある)がある。

人類学者のブレント・バーリンの発見として、幅広い分野で民族分類においては、属の数は600が上限というものがあるそうだ。リンネ以前の自然科学者たちの分類でも属の数は600で尽きている。

どうも、人類という生物は機能的にある項目数の上限を自然と600に制限してしまう=600が記憶の上限らしい。

興味を持った筆者は昆虫学者の夫に生物の属数を数え上げさせてみた。結果は575。爬虫類学者の友人にも頼んだ結果は591。

もちろん、2人とも後になって、なんでこの時xやyを思い付かなかったのだろうと首をひねる。

どうも、バーリンの調査は正しそうだ。必要な時に思い出さないのであれば、命名する意味がない。だから、どの民族も600を上限として命名するようだ。

自然を名づける―なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか(キャロル・キサク・ヨーン)

で、多分に時間がかかるから実際に数え上げテストをやる気はないが、きっとおれはWin32APIで600、JDKで600、.NET Frameworkで600、RubyのKernel、組み込みクラス、主要ライブラリを合わせて600の関数までは使える(詳細はともかくこのAPIを使えばよいと考えられる)のではなかろうか(パラメータや定数も関数と同種として記憶していると仮定するともっと減るだろうが)。

逆に言えば、APIが600を超えた処理系(主要ライブラリを含む)やプラットフォームは、開発者の人間の機能制限を超えるため衰退していくのではないだろうか(それでMSはWin32APIからWinRT APIへ移行させようとしたのだったり)。もっとも何をもって科(属の上の分類)とするかはありそうだが、グラフィックAPIだけで1つの科とかみなすのは無理筋な気がする。

(と最初書いたが、科ではなく、界のレベルで考えなければおかしいことに気付いた。生物の属名といっているわけだし。すると、すべてのAPI界で600というように適用することになる。その場合、どれだけの属名を支配するかで開発者の依存度が決まることになる(600項目の入れ替えが難しいと仮定した場合)。それが、VBを極めると他の言語に動けなくなったり、Win32APIエキスパートがPOSIX全然だったりする理由なのかも知れない。個々人の頭の中の600という属名の分捕りゲームということだし、なんちゃらの専門家というのはそのなんちゃらで600スロットを埋めてしまった状態を指すのかも)

あるいは、それ(存在を思い出せないAPI)をIDEが補完したり推測できれば済むのだとすれば優れたIDEの提供がプラットフォームベンダーには必須(MSの切り開いた方法)という道理だ。

とりあえずFreeBSDのシステムコールが500個、Linux2.6が280個。


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