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時々行く喫茶店に置いてある雑誌で1話分だけ読んで気になっていたので、出てすぐ買って結局その日のうちに読んでしまった。
抜群におもしろい。
周囲の反対にあって看護の仕事につけないことに業を煮やしたナイチンゲールが、劇場に巣食う決闘士の幽霊に自分を殺すことを依頼する。
この幽霊がなかなか味がある。ぷかぷか浮かんだり、潜ったり。
絶望しきった人間を殺すことで劇的な殺しとなると考えて、なかなかナイチンゲールを殺さないことで話が回り続ける。
半分歴史物語なのでナイチンゲールは歴史通りにクリミア戦争に行くことになり、幽霊もついてくる。
物語の語り口は本当に素晴らしい。
黒博物館 ゴーストアンドレディ(上) (モーニングコミックス)(藤田和日郎)
で、読了して満足しきったあとに、ふと気付いたが、情熱的な人間と、それを殺そうと取りついた化け物の間に緊密なつながりが生まれて感動的な物語となるって、(こちらは男と女なので恋愛感情のようなものもあるのだが、それでも化け物が人間のまっすぐさにいらつき歯がゆくなっていろいろ手を貸してしまうという構図といい)、この作家の得意技ということなのだなぁ。
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