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牽強付会ではあるが(と最初に明言)、大体において人類の歴史では70~80年というのは節目で、大きく体制が変化する。
これは3代目理論によるものだ。
初代は強力な理念と運とカリスマによって混沌の中に新しい体制を作る。2代目がそれを保守する。3代目になると新機軸を打ち出そうとするか、あるいは惰性でどうにか継続させようとするがぐだぐだになって瓦解と混沌が始まる。で、どうにもならなくなって次の体制が生まれる。
年齢的には30~55歳くらいの中心人物が3代交代して75年というのが根拠となり(かっきりいくわけではないので、大まかには70年から80年というところに収斂するわけだが)、太平洋戦争前に、大日本帝国がこのままではまずいぞと「売り家と唐様で書く3代目」と放言した尾崎不敬事件が念頭にあったりはするが、3代目が唐様で書くのは尾崎の発案ではなく詠み人知らずの格言で、古来日本でもなんとなくそんな感じの歴史観があったという証左でもある。
(当たり前だが、下部構造のほうが大きいので、人間の直系3代というように収まるわけはない)
もちろん、日本で体制が大きく変わったのは1946年だから、70を足せば2016年で、そういう体制瓦解期にはすでに足を突っ込んでいる(おれには末期に見えるが、始まっているように見たい人たちがいるのは知っている)。
1946年の前は1868年の維新、その前は1787年の寛政の改革で、旧体制の田沼をみんなが懐かしむくらいに様変わりして近代へ突入した時代だ。
そも前は1680年代後半あたりからの元禄時代の始まりで市民文化の始まりである。明確な区切りがなく始まるのが市民文化というところだ(その分、寛政の改革は完全なる別体制の始まりらしくかっちりとしている)。この期は中心人物がばらけているので100年近くもったというか混沌としている。
もちろん、その前が幕府開闢1603年。その前の区切りは混とんとしているが鉄砲伝来1543年あたりとしよう(戦争のありようの変化の始まり)。
そして1467年が応仁の乱で多頭体制の始まり、1378年に花の御所で室町時代が本当に始まる。このあたりからは30歳~55歳の25×3の周期が25歳~45歳の20年くらいに縮まるので大体60年くらいで1体制となる。
他国へ目をやると、中国は1978年の改革開放-1912年の中華民国建国-1840年のアヘン戦争-(1760あたりを適当に埋める)-1681年(康煕20年の三藩の乱鎮圧により康熙帝の完全支配開始)というようになる。この区切りだと今の中国は皇帝元年というよりは、改革開放路線の爛熟期に突入した(過渡期の始まり)なのだろう。
というわけで、2020年のオリンピックの前後で、戦後民主主義レジームが終わり次が始まるわけだが、どういう方向に進むのか、興味津々だ(が、小泉だけは選ぶなよ)。
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