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同僚がえらくうまいラーメン屋があるというので、昼に食べに行った。
と、場所の説明を聞いても良くわからなかったのだが、結構食べに行ったことがあるトンカツ屋の隣の角にあるえらく小汚い、ぱっと見だとナルトが浮かんだラーメンを出しそうな典型的なやる気がないラーメン屋で、え、この店なのか? と同僚の舌を疑ったことは言うまでもない。
そもそもそれほどラーメンにはあまり興味がなく、どちらかといえば豚骨味とかスープの味付けが濃厚なやつにしか食指が動いたためしがないので、まったく魅力を感じない(少なくともフリでは絶対に足を入れることはない)タイプだ。
で、店内に入ってメニューを見ると、なんか薄い色したスープのラーメンしかないし、でもまあ、食ってみなければわからないので頼んだ(何頼んだか忘れたが、一番標準っぽいやつ)。
そしたらびっくり。
抜群にうまい。
チャーシューは平べったいチャーシューではなく、炙った豚肉の固まりを削ぎ切りにしたようなダイナミックなやつで、まずこれがうまい。
しかもスープが抜群にうまい。なんだこれ? 醤油味にしては色が澄んでいるが塩ラーメンにしては味がしっかりしているし、無茶苦茶おいしいではないか。魚の出しとか入れているのかな? とにかく、家庭でもインスタントの粉末でも作れない味だ。すげぇ幸福感。
麺は適度に細く(好みではない)縮れたやつでしかしこれまた味が良い(かんすいの味なのか? よくわからない)し、歯ごたえが適度(アルデンテに近いラーメンの茹で方があるのだろうか)で実においしい。
というわけで、見た目と、現時点の好みだけで世の中を舐めてはだめということを痛感したのだった。というか、好みのラーメン観に痛烈なパラダイムシフトだ。
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