著作一覧 |
妻と白金の港区立郷土歴史館に行った。
元々は妻がテレビで泰山タイルが今でも見られる建物ということで見に行こうとなったのだった。
白金は家からのアクセスは最悪だが、意外と需要がなくてコインパーキングが安いのは見えていたから車で行く。
で、すさまじくおもしろい。次の企画展が滅法おもしろそうなのもあって今日は意図的に半分くらいで引き上げた。
そもそも建物がおもしろい。院長室(もとは公衆衛生院なので一番偉い人は院長)の床だけが凝った寄木とか、5階が寮棟になっていて、こちらも床は寄木(といっても院長室のように斜めの組み合わせとかはなくて単に長方形を組み合わせたもの)で、生活空間としての木材というような思想が見えておもしろい。それにしても往時の日本人の体格に合わせたのか全体に天井が低く、扉などは170cmぎりぎりくらいなのに、寮棟だけは天井が高いのが不思議だ。2段ベッドや3段ベッドの寮室だったのかなぁ。というか、白金のあたりは他にも庭園美術館になっている建物があったりするくらいだから空襲に合わなかったのだろうけど、それなりに医療施設が多いから鬼畜ルメイが手加減したのか不思議だな。
目当ての泰山タイルは1階(でも相対して地下)の喫茶店に使われていて、ほーこれが泰山タイルですか、と撫でてみる。見た目は焼き豆腐のちょっと焦げ目がついたやつ。そう言えば焼き豆腐もまったく見かけなくなったな。包装のおかげで生豆腐も日持ちするからだろう。昼はこの喫茶店でとったが、ドレッシングが液体ではなく粒状にマスタードとチーズを固めたやつで、妙なこだわりがあるようだなと思った。
常設展示では、昭和28年に木造2階建ての戸建てで供給されたのがわずか4年後に集合住宅に変わった北青山団地の写真がとんでもなくおもしろい。こんなだったのか、と身近な知らない歴史の断片がおもしろいのなんのって。
薩摩屋敷跡から出土した豚の骨を眺めて江戸時代でも薩摩は豚食ってたのかなとか考える。豚食って元気いっぱいで江戸に放火して回ってたのか。まさに薩摩だ。
それとは別に総毛脱狗之霊と刻まれた江戸時代の貝塚から出土した狆の墓石もおもしろい。総毛立つの駄洒落なのか?
一方、猫はまとめて賢猫之塔(と刻まれているので、塔だから墓ではないだろうと解説されている)に祀られていたようだとか。かしこ猫とは家の猫のことだな。
東大の医療研究センターの裏の大きな桜が見えて、これもちょうど咲きまくっていてきれいだった。
駐車料金は2時間くらいで1200円くらいだったから電車を二人で乗り継ぐよりも安く済んで(コインパーキングは安いだろうという読み通りだったので)気分良い。
ジェズイットを見習え |