著作一覧 |
漫画BANとかいうアプリでちまちま漫画を読んでいるのだが、最近、「火葬場のない町に鐘が鳴る時」というのを読み始めて、これがあまりに奇妙でおもしろい(というと正確ではないのだが)。
その前に漫画BANで「僕たちの生きた理由」という漫画を最後まで読んだのだが、昭和40年代のマンガか? と首を捻ってしまうような絵柄とストーリー(学校に集まった子供が訳のわからない人形遣いに人形にされてしまうので逃げ回るのだが、最後に実は……という)でなんじゃこりゃ? と思ったというのが最初にある。
で、なるほど、小説になろう系があるように、マンガにもいろいろな発表形態があって、こういうヘンテコなのも発表できるようになったのだなと考えたのだった。
で、「火葬場のない町に鐘が鳴る時」という大仰なタイトルもあって、これも当然そのてのマンガだと思ったわけだった。がアマゾンに行ってびっくり仰天、講談社なのだった。
とびっくりするくらい酷い作品で、当然、ドドドドマイナーななろう系Webマンガなのかと思っていたのだった。
というか、なるほど読みながら脳裏で噂には聞く「彼岸島」とはこういう作品ではないのか? という声が聞こえてくるはずだ。ヤンマガって、ヤンジャンと名前は似ているがクォリティが全然違うんだな(と、嘘喰い、東京喰種、Liar Gameと感心しまくっただけに今やヤンジャン編集部の能力の高さには一目置いている状態になっているというかクレイモアもそれなりの水準だったから集英社ということになるのだろうけど)。
画がだめなのはおいておくとして(Liar Gameもひどい画だったが、こっちはむしろ悪達者的なだめさ)、物語が誤ったジェットコースターなのだ。要は一貫性がなく、次々となんでそうなる? の連続だからだ(一応プロットはありそうではあるのだが)。
小学生低学年の作文みたいなのだ。
朝起きて歯を磨いて朝ごはんを食べようと思ったら、母さんがまだ寝ていて用意ができていない(意外な状況)。しょうがないけど自分で作るのは面倒だから学校に行くことにした(投げやりな進行)。靴を履いて、紐を結んで(妙にディテールが出てくるなと思ったら)というのはバスケットシューズでこれはコンバースのパチモノのロンパースというバスケットシューズで、たかし君(誰だ?)が超高級品でいかしたバスケットシューズ(それ重要なのか?)が隣の安原雑貨店で298円(細かい)で売っているから一緒に買いに行こうというので先月の13日の金曜日に一緒に買いに行ったのだった(お前、学校へ行くことを書いていたのでは?)。途中で社会科の森元先生に会ったら「山梨県の名産物はなんだと思う?」と聞かれた。「やっぱり山梨でしょ」とたかし君が答えたが僕は知っている。山梨といえばほうとうだ。「いや、山梨ではない」と森元先生が勝ち誇って叫ぶ(叫ぶか?)。「だから、宮澤賢治のやまなしの舞台は山梨県ではないのだ」(一体なんの話をしている?)「さあ、これから岩手に東北新幹線に乗ってやまなしの謎を解くのだ」そう言うと森元先生は僕たちに新幹線の切符を2枚渡した。「30分後には上野を出るからすぐに駅へ向うのだ」
みたいな感じ。
(ただ重要な点は、無茶苦茶なだけに次はどう来る? のようなおもしろさはあるということで(誤ってはいてもジェットコースターではあるわけだ)、そうでなければとっくに読まずに削除している)
で、どうにもこういう感触の作品の記憶というか手触りがあって謎だったのだが(僕たちの生きた理由のように昭和40年代というようなわけではない)手書きの手紙をソフトフォーカスで読ませるコマを見ているうちに気づいた。
これは90年代の駄目なホラー系アドベンチャーゲームのノリなのだった。
妙な短い台詞回しで謎めいたことを言って通り過ぎるNPC、突如うろついていると出てくる恐怖イベント、下手な手書き文字の手紙とか、妙にボーッとした絵柄、いきなり出て来て主人公を助ける妙に特徴的なファッションの謎の人物、すべてがアドベンチャーゲームっぽい。
ジェズイットを見習え |