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本屋に平積みになっていてわけわからない(が、もちろん、河畔の街で名前がセリーヌなら巴里を舞台にしているのだな、わかるわかるぞ、という心の動きはある)から買って読んでおもしろいがまだ序盤過ぎる(のでまだなんとも言えない)。
にしても、どうも「教養マンガ」というジャンル(おそらくエマあたりが嚆矢なのだろうが、なんといってもトマトスープの諸作品が素晴らしい)が勃興しつつあるように思える。
で、どうもおれは教養マンガというジャンルが好きだ。
・教養小説(ビルドゥングロマンス)とはちょっと違う意味で考えていて、歴史マンガのように最初からある特殊な知識を前提としたものというよりも、主人公が動くことで自然とその物語の舞台にある知識を読者が教養として吸収できる(もちろん主人公のビルドゥングもあるわけだろうが、主眼は主人公よりも背景にある)、というような意味。で、作者の興味もそういったその時代を構成する諸物(したがって歴史、という括りとは異なる)に対する興味や偏愛にある。
このマンガは、19世紀のおフランスに田舎から出てきた14歳の小娘が謎の紳士に気に入られてさまざまな職業体験をすることで読者に19世紀のパリの社会を見せまくる趣向のようだ。お針子、女中、百貨店などなど。
実におもしろい。
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