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新国立劇場で日中友好40周年記念のメリーウィドウ。日本と秒あたりコマ数の方式が異なるのかなんか引っ掛かりがある映像だったが、中身はえらくおもしろかった。
原題(はもちろんメリーウィドウだが、中国国家大劇院の原題)が「風流寡婦」で「風流」にえらく魅力を感じる。しかも聞いてフーリューがわかって、なるほど風流はフーリューですなとえらくおもしろい。地の台詞の部分は中国語なのだ。
地の台詞が中国語なので、ポンテヴェドロの駐仏大使やニェグシュ、ブリオシュなどは全員中国人。が、軽妙で実によい。
圧倒的なのは、ヴァランシエンヌのマリア・ムドリャクで、ほとんどチートのような脚線美は持っているわ、歌はうまいわ、顔は小顔美人だわで、ヴァランシエンヌ以上のヴァランシエンヌで、なるほどこれなら大使に離婚されても超余裕でマキシムのナンバー1になれるだろうという歌手だった。
ダニロは目つきの悪い短髪金髪男なのだが歌も演技も抜群、ハハンナも実にうまい。ヴィリの歌はそれにしても名曲だ(唐突に1曲やたらめったらと美しい曲がその瞬間だけ(モチーフの再利用とかほとんどなく)という点ではルサルカの月への祈りと良い勝負と思う)。
が、子供に言われてみて、四阿のシーンの直前のカミーユとヴァランシエンヌのシーンもすばらしいな(というか、こうもりにも役に立たないが美声を轟かせるテノール歌手が出てくるので、オペレッタのパターンのような気もする反面、薔薇の騎士にも唐突に美声を轟かせるテノール歌手が出てくるから(そういえばパヴァロッティにこの役を割り当てたレコードがあったが、こんなの舞台では無理だろう)、ウィーン風の作劇術なのかも知れない)。
新国立劇場と同じで、主演クラスは海外招聘で残りは母国で固めるというシステムのようだ。(が、カンカンを踊るマキシムの踊り子たちは西欧人のように見える)
とても良かった。
が、客席は1/4程度の入りで、平日の夜というのをさっぴいても実にもったいない。
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