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日々の破片

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2023-05-14

_ EO

有楽町でポーランドの作家イエジー・スコリモフスキのEOを観る。なんか久しぶりの東宝東和の映画だ。EOはロバの名前。

ロバが出るからバルタザールどこへ行くみたいな映画かと思ったら、ロバの放浪記という意味ではその通りだったが、違うといえば全然違う。

ロバの目はでかくてうるうるしているから、このタイプの映画には相性が良い。

1.サーカスで最後に立ち上がる役回り、動物虐待反対運動、サーカスは破産してEOは売られる

2.荷馬車ひきの役回りとなる。一緒に飼われている馬に憧れて動き出していろいろ破壊してしまう。

3.次の買い手の子供牧場でそれなりに馴染む。そこにサーカスの相棒の女性が訪問してきてやっぱり彼女が好きとばかりに脱走して後を追う(朝のシーンのフォーカスを手前から後ろに切り替えるところはおもしろい)。この後、邂逅するのかと一瞬思わせるが、女性は一緒に来た恋人と一緒に未練を断ち切って去ってしまうのでそれはないなとわかる。

4.相棒捜索の旅路は続く。夜の森の中がおっかない(狼の死骸)

5.町のショーウインドーを見ているところで消防に捕獲される

6.消防が車を止めてサッカーの試合を見ているところに別の観客が来て綱を外される

7.地元チームがペナルティキックの危機というときに鳴き声をたてたのでボールが外れて(因果関係は不明)地元チームは勝利する

8.祝賀パーティ会場から抜け出て外に出ていると、相手チームが金属バットを持って殴り込みに来る。大惨事。ポーランドのサッカーファンもおっかないなぁ。でもEOは逃げていて良かったと思わせておいて、結局EOも見つかって半殺しにされる。

9.ロボットの爬行シーン

10.なんか野生動物がたくさんいるところで獣医が治療してくれる。売ろうぜというやつがいるがいるが、獣医はおれは医者だ、治療が仕事だ、何言ってんだ? というような会話がある。

11.歩けるようになったので早速仕事をしろと荷車をつけられる。が、動かないので御者がのぞきこんだところを蹴り殺す

12.サラミにするために市場送りとなる。

13.ドライブインで運転手が食事をとるための休憩。EOは外に繋がれる。運転手は移民の女性をナンパ。露骨な誘い掛けを言って去られてしまい、これだからおれはだめなんだよなぁと述懐。そこに謎の男が来て首を掻き切ってしまう。

14.たまたま車が故障した男がドライブインまで延々と歩いてやって来る。繋がれているEOを見つけて、解放して一緒に(ヒッチハイクか?)トラックで家に帰る。玄関から延々と道がある大邸宅。

15.男はイザベルユペールの義理の息子と判明。父親(ユペールの夫)の遺産についての言い争いとかしている間にEOは脱走

16.牛やら山羊やらと一緒になって歩いている。どうも屠殺場への長い道らしい。

17.この映画では動物を傷つけていないし、動物と自然の保護がテーマです(おそらく嫌味)とクレジットが入る。

EOの視界は赤黒と設定しているようだ。どこで挿入されたか忘れたが鳥の死骸のシーンは狼の死骸と並んで印象的だ。どうも死骸はキーとされているように見える(実際、死はテーマの1つだろう)。

おもしろかった。これは映画だった。


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