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コンピュータの特徴とは、ストアされたプログラムを実行することで、あらかじめ決めた手続きを高速かつ正確に再現することにある。
第二次世界大戦において、復号暗号の解読と弾道計算の2つの計算がコンピュータ開発のモティベーションとなった。
民生分野へ適用するとき、それは事務計算に対して行われた。
それまで事務計算は人間によって行われた。例外的な処理については現場の判断という柔軟な運用が可能であった。
しかしそれはコンピュータにはできないことである。
最初の価値の逆転が行われる。事務計算には例外的な処理は存在しないという前提を置くことで、この問題に対応した。
それによって、いわゆる大規模開発が許容されることとなった。開発されたシステムは中期以上にわたり変更されることはない。変更されずに使われることが前提に置かれたために、開発期間と開発要員という2つのコストを回収可能であるとされた。
これに伴い、仕様は精緻化され、すべての例外はあらかじめ規定された。
問題点があるとすれば、最初の前提、すなわち排除された柔軟な運用にある。
もし、コンピュータにおいて、柔軟な運用というものがあり得るとすれば、それはプログラマによるハックである。本来の事務計算において運用変更に対する主体性と責任を持つ人間が、問題発生時点で対応したのと同等なことをコンピュータに求めるのであれば、そのようになる。
このような方法は、事務計算分野においては行われなかった。しかし同様な運用は研究分野においては行われている。したがって、必ずしもあり得ないことではない。
SOAPとRESTを対比すると、SOAPの仕様の精緻化が、事務計算分野に対するのと同様の考えに基づいていることが理解できる。特にEncoding仕様の確立以降である。
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「復号」というのは一般には正規に鍵を持っている人間が暗号文から平文を得ることをいうわけで、解読ないしクラックが適当なのではないでしょうか。
なるほど、ありがとうございます。解読とするのが良さそうですね。