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パブリックイメージリミテッドのギグ見にSHIBUYA-XA(追記:と思ってたらAXだった)とかいう箱(本当に外から見ると箱なのだ)。
PILはなんと20年ぶりで、最後に観たのは多分渋谷公会堂かNHKホールで、リチャード三世みたいなせむし男の雰囲気で客席を指さしながら歌ってた(たしか、この時点でバックはリップリグパニックの連中になっていたと思う)。
で、どうもドラマーがブルースとか呼ばれていたから、あの頃のPILがそのまま年食ったみたいだ。ジョン・ライドンもすっかり小太りのいいおっさんというか爺さんになっていて、リチャード三世(ローレンスオリビエの若いころ)からローマ教皇(なぜか演じるのはデニスホッパー)に様変わりしてた。せむしじゃなくて、むしろ胸張って手を挙げる。
いきなり、ドンドコドンドコで4方を閉ざされた壁で始まる。ワールドツアーみたいだから、行く先々でアーラーに祈りを捧げさせてるのかなぁ。なかなか奇妙な光景だ。
音が抜群に良い。SHIBUYA-XAというのはただの箱じゃなさそうだ。久々に体の中を振動が素通りしていくのを感じて、おお、確かに人間は水の詰まった袋だなぁとびんびん感じておもしろい。実におもしろい。こればっかりは家では体験できない。というか、「リチウムベースのバッテリーを適切にメンテナンスするには、バッテリー内の電子を時々動かすことが重要です」とアップルのiPadのページに書いてあるが、人体も時々ベースとドラムの波にさらして電子を時々動かすほうが良いかも知れない(わけわからん)。
音がすごいが、ジョンライドンがまったく負けない声を出すのでえらくおもしろい。本当にすごいおっさんだ。
で、アルバトロス。というか、メタルボックスはキースレヴィンやジャーウーブルならではの音かと思っていたが、そんなことはなく再現できるのだな。両手を水平に広げてアホウドリなんだろうか?
we don't run awayとか、you don't runnawayとか。かな? 以前は歌わせようとしても英語がわからなくて黙っている不気味な光景が見られたが、20年たってそのあたりは相当変わっているかと思ったが、そうでもないかも知れない(と思っていたが、第2部のライズでは会場は普通にthe anger is an energyとか歌っていたからそうでもないようだ)。
順番はちょっとあやふやになってしまったが、メモリーズ、デスディスコとメタルボックスから。9からがっかりとウォーリア。がっかりでは、friends forと歌わせる。というか、聴けばどの曲もわかるので、おれは最近まったく聴いてなかったが、ジョンライドン好きなんだなぁとびっくりする。後、フラワーズオブロマンス。
フラワーズオブロマンスでは、ベースがウッドベースのネックの部分だけにしたような奇妙なベースを使って猛烈な音を出す。ギター(まるっこい不思議なやつ)は弓を使って冒頭のキューンキューン音を出す。とにかく、音響が実に良い。大音量なのだが破綻がなく、うるさくなく(大きな音とうるさい音は異なるのだ)、実に良い感じだ。
こいつはラブソングじゃないは、ブラスが入ったバージョンしか聴いたことなかったので(と書いてからそんなことないなぁと東京ライブを聴き直してみたら、声が若々しくてそれはそれで驚いた。同じ声なのに全然違うもんだな)、最初何が始まったのかわからなかった(というか、the order of deathかも)。ここもオーディエンスに歌わせるが、普通にこいつはラブソングじゃないと歌っているから、やはり時の流れで日本人の英語力の向上は明らかだ。
途中、タバコだか酒だかが吸いたいだか呑みたいだか(この部分は聞き取れなかった)が、禁止でクソッタレな会場だなとかMCが入る。
最後はパブリックイメージで、突然、会場前方に人々が飛びしてきてそこだけ踊りまくって返って行く。そういう風習なのか? で、グッドバイ。
第2部は、ライズ。あとは忘れた。酒瓶もってきて口に含んでは霧を吹いて(飲んじゃだめらしい)会場を湧かせる。最後のほうでは舞台のやたら前の方までやってきて、客席と舞台がやたら近いんだなとちょっと驚いた。で、本当に演奏が終わったら呑んでた。
This Is Pil : CD+DVD Deluxe Edition (NTSC Region All)(Public Image Limited)
(新作を出したの知らなかった)
SHIBUYA-XAという会場含めて良いエンターテインメントだった。
ジェズイットを見習え |
SHIBUYA-AXですよ。<br>確かアックスと発音するはずです。
おお、そうなんですか。XAだと思い込んでまし<br>た。