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アスキーの(カドカワだけど、アスキーメディアワークスはアスキーだからいいんじゃないかな)鈴木さんに昨年の末に頂いたんだけど、とりあえず読み終わった。
50 Android Hacks 開発現場ですぐに役立つヒントとコード (アスキー書籍)(Carlos Sessa)
(リンクはKindleだけど、貰ったのは紙の本)
ちょっと不思議な本だ。
Effectiveタイプの本ではないし、チュートリアル本でもない。
章立てとしては、第一章が「レイアウトに取り組む」、第二章が「クールなアニメーションを作成する」とくるけど、UIに特化しているわけでもない。第五章は「パターン」だし四章は「ツール」だ。
かと思うと、第8章では「他の言語とのやり取り」という章題でItoa(iOS to Android)というライブラリを使ってObjective-CでAndroidアプリケーションを書く方法を示したりする(NDK側に落とし込んで、JavaはMainActivityとかの最低限必要な処理だけ記述するのだが、それなりに良さそうな気もするが、試してみないとわからないよね)。
その一方、レシピには成りきれないのだが、第9章が「すぐ使えるコードスニペット」とかでMP3を使う方法とか写真を使ったり撮ったりするコード片が示される。
第10章では「データベース初心者からの脱却」と書いてあるのだが、SQLiteに被せるORMLiteというORMライブラリを紹介したかと思うと、SQLiteにネイティブ関数を埋め込む方法を示したり、なんでもあり。
第8章と並んでおもしろいのが第11章で章題は「断片化を回避する」とあって、はてメモリフラグメントとかのことか? と思うと、複数バージョンのADKに対応させるためのプログラムの書き方になっていたりして、最後の第12章が「ビルドツール」でJenkinsを使って、複数種類のデバイス用のビルド管理方法を示したり。
まとまりはあまりないのだが、個々のトピックはおもしろいので、雰囲気としては、往時のMSDNマガジンやDDJの連載の単行本化みたいなものがある。中にはAOPみたいに、実際に使うのかなぁとか思わざるを得ないものもあるけれど、そういったいろいろな割と高度(といって良いと思う)な、トピックを50種類、12章のカテゴリにまとめた本だ。
副題には「開発現場ですぐに役立つヒントとコード」とあるけれど、一部を除けばピンポイントですぐに役立つとは考えにくいものばかりと思う。しかし知っていると、必要になったときにえらく楽ができるのは間違いなさそうなので、すぐかどうかはともかく、役立つヒントとコードというのには偽りはなさそうだ。
そういう意味では、Android開発しているのなら、手元に置いておくというよりは、とりあえず眺めて、こんなときにはこんなことが使えるというのを頭に入れておくための本だ(そうなると、手元に置いておく必要が出てくるわけだけど)。
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