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日々の破片

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2014-04-15

_ デセ

サントリーホールにデセーの歌曲を聴きに行く。

プログラムを見ずに聴きはじめて、最初はシューベルトなのかなぁとか思ったら、クララ・シューマンと知った。シュトラウスの1曲目のワルツでは踊りっぽい動き。

白眉は第二部のプーランクだと思う。が、ドビュッシーの異才はやはりとんでもない。

アンコールはショーソンのガブリエルのような題の曲が佳品。ラフマニノフはピアニストのためだろうか、3曲目はポピュラーミュージックかと思ったらドリーブだった。緑、赤、白と楽譜のバインダーの色がそれぞれ異なるのがおもしろい演出。ラフマニノフがあまりに変な曲で驚く。スクリアビンとプロコフィエフにはさまれて、どうでも良いハリウッドタイプの作曲家だと思っていたら大違い(と書いて気付くとマーラーとシェーンベルクにはさまれたコルンゴルトと同じ位置だな)。あらためて作品を聴き直そうと思った。

1部も2部もキラキラした服。ピアニストのカサールと並ぶとそれほど小さくないなぁと思ったが、歩くとえらく高いヒールを履いていてなるほどと思ったり。

ドビュッシー:歌曲集「月の光」(デセイ(ナタリー))

(もう廃版なのか)

この人の歌声は本当に独特に美しい。しかもエモーションを感じさせないので、なるほどオランピアが出世役になるはずだとも思うが、それが少しもネガティブな意味にならない。生身で、しかも異様な声なのでデッセという個性に裏打ちされているのに、なぜか繊細な楽器のように感じる。

それで、最近読んだばかりのフルーテッドガールをどうしても想起してしまう。もっともまったくエロティックではない。

第六ポンプ(パオロ バチガルピ)

非常に不思議な歌手だ。オペラを生で観ることはかなわなかったが、それでも同時代にこういう不世出の歌手がいて、その演奏を観ることができたのはとても嬉しい。


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