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妻がベッドを買うというので、いろいろ考えた(妻が)末に、大塚家具の有明本社ショールームへ行った。
正直なところ妙な騒ぎがあったので大塚家具にはあまり良い印象を持っていなかったのだが、なんというか、数は力ということを実感した。
つまり、買い物体験として良いものだった。
3階でエレベータを降りてショールームの入り口へ行くと、なるほどこれが大塚家具なのですなという感じで早速案内が入り、(冷やかしではないので)ベッドを探している旨を伝えるとアドバイザーがついてベッドのほうへ案内してくれた。というか、無茶苦茶に広いので案内されなければ確実に迷子になりそうだ。
最初にカチンコチンにバネがきついベッドと、相当上にふわふわ部分が付いたベッドの2つ(どうもこれは売り物ではなく、マットレスとはどういうものかという説明用っぽい)に順に寝そべらせて(すべてのマットレスには靴を脱がずに済むように足元にはカバーがついている)背中に基準値を与えられる(ということだと解釈した)。
それから、おそらくこちらの風体からアドバイザーが決めたらしい価格帯のベッド(用意されている数が半端ではないからここは必要なのだと思う)を次々と試寝させてくれる。
価格帯としては、100万円越え、80万、50万、30万、20万、10万以下の6レベルくらいの感じだ(フレーム込みの価格になっていて、大抵高いマットレスは高いフレームと組み合わされているからマットレス単体だと6~7掛けくらいの感じ)。
ということは、金額ボリュームとしては80万、客ボリュームとしては20万くらいが売れ線っぽい。こちらは普通の冴えない中年夫婦なので20~30万ゾーン中心にいろいろ試させてくれたのでその観察は正しい。(特殊ベッドとしてリフトが付いたものなども10種類くらいは置いてあったようだ)
時間にして3時間くらい試しまくった。
最初は名前を覚えてないやつ。それからフランスベッド(悪くない)。最近の少し上の価格ゾーンのマットレスは中心あたり(つまり腰があたるあたり)のスプリングを頭や脚の部分より硬くしているらしい。
妙に背が高いのがあって興味を惹かれた(50万ゾーン)のがあったので、それも試した。なんか有名人が利用しているというような能書きがあったが、ちょっとふかふか過ぎかな。それからついでに100万越えを(興味がないのでホテル名を忘れたが、30万越えクラスからは大抵~ホテルのスタンダードだの~ホテルのスィート用といった能書きがつく)試しまくる。どれもふわふわで気持ち良い(多分、スプリングはきちんと硬くて上の部分をどれだけ適度な沈み心地で抱擁されている感を演出できるかがマットレス屋の腕の見せ所と感じた)。
それに比べると10万~30万クラスはふわふわよりも適度な弾力の演出が中心のようだ。と書いて気付いたが、こちらの購入希望がふわふわよりも適度な弾性だと判断してその手のマットレス中心に試させた可能性が高い。同一価格帯でも1/3程度しか試寝していないからだ。100万越えには適度な弾性というような持ち味の製品はなかったから(そもそも10種類弱しかない)、普段遣いのマットレスならではの持ち味なのかも知れない。
スランバーランド: 妻は結構気に入ったようだが、僕にはあまりぴんと来なかった。コイルが2段になって入っているのが特徴らしい。このクラスでは最高価格という印象のほうが強い。
シモンズ: ちょっと固め(身体が浮いている感じで気持ちが良い)、同じ上物でちょっとやわらかめ、上物が多少ふわふわ系(悪くなかった)でスプリングは固めの3種類を試した。普通に良い感じ。
レストニック: なんか売り込みに力が入っているメーカー。中国製の異様に安いものもある(寝心地はそれほど変わらないが、耐久性とかわからないからアメリカ製のほうを勧めるとか言われた。まあ、10年使わなければ本当のところはわからないが、10万円以内でまともなスプリングのマットレスを買うなら、レストニックの中国版が一番だなと思った)。アメリカ製のはシモンズと同程度の価格帯。異様なでこぼこの表面で少し固め(いささかごつごつし過ぎているように感じた)、表面のふわふわ感はないが身体が気持ちよく浮いている感じのやつ、それより多少ふわふわの3種類を試した。良い感じ。
というところまで3メーカーに絞ってあとはさらにどういう寝心地で行くかをもう少し本格的に(でもベッドスプレッド無しなので微妙な感じではある)寝ながら絞っていった。
なんちゃらカズキみたいな名前の人なら、ここでさんざん試したあと、買わずに帰って価格.comで同じものの最低価格のもの買うのだろうが、素直に購入。
後になって、説明にやたらとアメリカのほうがベッドの歴史が長いから云々みたいな能書きが多かったなと思い出して、実際のところアメリカでのマットレス評価というのはどうなのかをちょっと調べてみた。
いろいろ眺めた感じでは、sleep like the deadというサイトがいろいろ比較があっておもしろかった。
ここではとにかくスプリングマットレスの評価は低い。マットレスのトップブランド比較では、スプリングは軒並み低くてテンピュールの評価が高い(その一方、綴りが微妙だがヘルニアや頸椎の問題を抱えている人は絶対買うなというのもあるので、健康な人にはきっと良いものなのだろう)。
眺めていておもしろいなと思ったのは、比較項目にsex friendlyという項目があることで(マットレスの評価という点から、確かにそういう項目があるのはうなずける)、この項目だけは全体的にスプリングの評価が高い(マットレスとセックス)ことだ。あとモーションアイソレーション(パートナーが動いた場合の感知ということはダブルベッドでの話だな)という項目があるのもおもしろい。
そういえば大塚で扱っているマットレスのうち、英国のスランバーランドが出ていないのはともかくレストニックがトップブランドの比較表に出ていないなと思って調べると、メーカー別のランク付けはあった。要は並のブランドということのようだ(日本酒でいえば月桂冠みたいなものかな)。買いやすさがAというのがブランドとしての位置づけなのだろう。
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(シモンズについてはアマゾンで買うのと値段はほとんど変わらないようだ(ぱっと見同じような価格だ))
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