著作一覧 |
同僚たちと亥年を記念して両国のももんじやに行こうと決まった。
以前から車で両国のあたりを通るたびに気になっていたので楽しみだ。妻や子供とももんじゃとはどんなももんがだろうと言ったりして(同じももだとは気づくわけはない)。
というわけで行くといろいろ考えていたのと違っておもしろかった。
まず、ずーっとももんじゃだと思っていたら、ももんじやで、つまりは「ももんじ」+「屋」で、さらにももんじとは「いろんな獣」のことで、なるほど「百」はモモだし「獣」はジュウだからモモジュウなまってモモンジーなのか。
で、店の脇に立っている墨田区の文化看板によれば、この店の固有名詞は豊田屋だそうだから、以前はそこらじゅうにももんじやを営業している~屋があったものが、たった一軒の生き残りだから今さら屋号はいらんということなのだろう。多分、30年後には、一軒残ったたばこやの脇に「本来たばこやというのは一般名詞で、屋号はスモーキンブギーメンなのだが、スモーキンブギーメンを名乗ってはいない」とか書かれるのだろう。
川沿いなのは、埼玉や群馬のほうで猟師が撃った獣を船で運んできたからだな。流通経路を反映した立地だったのか。
で、年期が入った仲居さんが料理を運んでくるのだが、鹿と猪を間違えたり(どうも鹿みたいにずっしり詰まった肉だなぁと思ったら鹿だったとか)別に見た目と年期は関係なさそうだった。
猪は普通にうまかった(濃いめの割り下とは言わずに味噌を溶いた汁のようなことを言っていたが、甘さといい、すき焼きの割り下にすごく近い)。とはいえ、食べるときに溶き卵をつけるわけではなく、そのまま食べる。付け合わせの野菜のなんかあくが抜けきったような芹らしきものがうまいのだが、全体的に具材は味が抜けていて、汁の風味で食べるような感じで、ある意味拍子抜けした。
どうも物足りないので熊肉も注文してこれも同じ鍋で食ったが、こちらは食感がこりこりしていてどうも鯨を思わせなくもない。とはいえ、山鯨は猪のほうだ。とりあえず食感は熊のほうが好きだ。
いずれも、薄くスライスして一度冷凍したような感じで、そういえばスーパーとかで安く売っている成吉思汗用の羊もそんな売り方をしているから、肉の風味(良いものであれば風味、悪いものであれば臭味で、どちらかは好みに依存するのでどうでもよい)を消し去る方法なのかも知れない。消さないほうが良いかどうかは比べてみないとわからないので保留(羊については、おいしくないので、安い丸くスライスした成吉思汗用の肉は買わないわけだが)。
とりあえず、こんだはタヌキを食ってみたいと思った。
ジェズイットを見習え |