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BS11(12かも)見ていたらサムハンキンポーの旧作の広告を流していたので、妻に最近出ている映画も話題だよねと言ったら、あれおもしろそうだから観たいと言い出したので一緒にトワイライトウォリアーズを観に豊洲。
実におもしろい。
坊主頭に薄っすら髭のせいでおっさん臭い主人公とかもいるけど、特に信一(オートバイ野郎)と顔に傷がある信介(みたいな名前)とかイケメン軍団なのでなんとなくハイローみたいだなと思った。
香港歴代収益1位とか広告しているが、そりゃインフレしているから金額ベースなら後になればなるほど大きくなるだろうと、実にどうでも良い惹句だと思ったが、これは違うようだ。
要はキンポーやガオロンセンに何等かの思い入れがある世代(80年代世代)とハイローみたいなイケメンアクション好き世代(ゼロ年代以降)の複数世代の客層を呼べて、しかも両層とも満足して他人に勧めるので倍増する道理なわけだ(子供マンガ祭りが親も呼び込まざるを得ないから動員数が複数倍になるのと同じ原理)。
というわけで楽しみ方3倍増みたいな超お得映画だからつまらんわけがない。
80年代末に香港旅行して九龍市(町?街?)を歩いて遠目に城砦を眺めるとすぐ真上を飛行機が通って(啓徳空港を羽田に例えると整備場の辺りが九龍市)ビビったが、2回ほどビル(と言って良いか怪しい)の谷間スレスレに飛行機が腹見せて通過するシーンがあって、それを思い出した。あれに比べれば千駄ヶ谷上空を飛行機が通ると言っても屁みたいなものだ。
勝手がわからないから安全な場所と危険な場所の区別がつくはずもないので城砦そのものは遠目で見るだけにしたが、なんとなく雰囲気は想像がつく。というのは尖沙咀の端のほうにあるホテルに泊まったのだが、ホテルへ続く道と大通りの角の複合ビルに何気なく足を踏み入れたらさあ大変。まるで迷宮なのだ。で、ある程度うろうろしてから退散したのだが、あれの極端なやつを想像すれば良いのだろう(後になって、チョンキーなんちゃらという有名なビルだということを知った)。
映画に戻るとカラオケの歌とか機械とか細かく妙な日本取り入れがあってそれも記憶を蘇らせる。80年代末は香港では最高に日本がカッコ良かったのだ。
ファッションビルのエスカレーターを上っていると最初にショーウインドーにTOKIOと見えて、KUMAGAI と続くのかと思ったらKIKUCHIと続いてずっこけたのを思い出した。あまりにも無茶なのでシャツでも一着買おうかと中に入ったら、襟がバカでか過ぎてとても東京では着られないと諦めたのだった。
それにしても竜巻床屋の義兄弟はいつも敵に捕まる役回りなのが不憫だった。
4人組がビルから下界を眺めるところでは、おお青春映画と、フンクイの少年を思い出したり、虎親分に「かってのあいつらではない」と言われて主人公が3人に会いに行くところでは、墓参りか? と思ったら、船着き場に行くではないか。なんだこれ? と思っていたら3人がやさぐれていて、極端だなと笑いを誘う。そのてのある事象を受けたシーンの次のシーンで意表を突く演出は多用されていて、子供と話してから、駄菓子屋で眼鏡チョコを買うので、子供にあげるのかと思うと、それで顔を隠して復讐へ向かうのもおもしろい。
楽しかった。
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