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豊洲でFlow。ポスターで黒猫のアニメということだけは知っていたが、それ以外の情報抜きに観に行った。
森の中で黒猫がうろちょろしているので、羅小黒戦記みたいな話が始まるのかと思ったら全然違った。
かって彫刻家が暮らしていたらしき廃屋に住んでいる。遠くに巨大な猫の彫刻(というよりも岩山を削って猫にしようとして仕掛かったまま作家が死んだっぽい)が見える。
犬に追っかけられて逃げると横から兎が出てきて、犬はそっちを追いかけて消える。ところがその犬が戻ってきて何事かと思うと鹿(ではなくて、多分ライオンキングの親父を殺す大軍のやつ)が走って来ると思う間もなく水が押し寄せて大洪水。
その後、カピバラと一緒に船に乗って旅する途中で火喰鳥(かどうかはわからないけど)に助けられる。
鳥はかって地上を制覇していた恐竜の進化系だけに哺乳類より一足先に社会をうまく構築しているのだが、子供を失くした母鳥(とは限らない)が猫を守ろうとして群れからリンチされて追放刑となる。
船にはさらに光物が大好きな狐猿や犬軍団の中で唯一好意的だった白い犬が乗り込んでくる。他の犬軍団を助けるかどうかで鳥とそれ以外の間で論争が起きて鳥は操縦をやめる。代わりにのっそりしていて蠅がたかっているが優秀なカピバラが船頭の役回りとなる。
黒猫が船に戻ろうとするが仲間たちを乗せたまま船はいなくなっている。狐猿お気に入りで、犬が鳥と遊ぼうとして鳥に捨てられてしまったガラス玉に掴まって水を漂っていると突如水が引く。ここで水が引く様子を木がにょきにょき水面から姿を表すことで描写しているのはうまいなぁと思う間もなく巨大な亀裂が大渓谷となる。凄いスペクタクルだ。
猫がうろちょろしていると狐猿の群れの中で鏡を持っているためにボス扱いとなっている仲間を見つける。徐々に元の仲間が集まり鯨が打ち上げられる。
ヘリポートで鳥と共に黒猫が宙に浮かぶシーンが抜群。動物や鳥はときどき硬くなるが、都市や森、水のテキスチュアの美しさはすごい。
鳴き声以外のセリフいっさい抜きで90分以上を見せるのは(全然退屈することがない)驚きだった。実におもしろかった。
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